お一人様の読書

引っ越しを控え、嬉しさ半分不安半分といったところです。不安には「いくら使うのだ…」と「実際の引越し作業にはまだ少し猶予がありすぎる…いつ電化製品などの大きなものを注文すればいいのだ…何なのだ、これは!どうすればいいのだ!?(ピーター声)」というものがあります。本当にどうすればいいのだ…一ヶ月切ったしもうのいいか…?!

 

一人なので大きな家具を動かせるのか?などと考えたとき、「一緒にいてくれる男性がいれば…」と今休んでいる婚活に思いをはせたりするのですが。

しかし、一人で自由に生きていく楽しさもあるんですよね。やっと実家から離れるのに、赤の他人と一緒に生活する煩わしさを今は味わいたくない。

現在進行系で収入も増え、これを上手く働かせて自分一人を養うのは生涯の目標だし、金銭感覚が違う人ともし一緒に生活したらストレスが溜まりそう。自分の金は自分に使いたい。

あれ、これって結婚についてのアンケートとかでネットで「結婚しない」って言ってる男性と同じ言い分だ。

彼らの気持ちがすごくよく分かる!一人暮らし楽!ですよねー!

 

思えば昔、彼氏というものがいたときに結婚したくてしょうがなかったのは、「=実家から出る理由になる」からなんですよね。一人で出るには金銭的に不安があった。遠距離で相手も貧乏だったし。

私の結婚の動機の大きなものがこれなので、今回の一人暮らしでそれを自力で解消したことになり、そりゃ結婚する気も萎えます。今後どうなるかはわかりませんけど。また「結婚したい~!(でももう年齢的にアウト!)」と騒ぐことになるのかも。

子どもはあんまり欲しいと思いません。自分が親になれる自信もないし、もう物理的に望めない年齢になってきましたし。

生物に繁殖に適した時期があるのは考えれば当然なのですが、私の世代はそれを否定し、晩婚を推奨するような教育がなされた年代でした。もし若いうちに卵子の寿命のこと等を教えてもらってたら考えが変わったのかな?

 

ということで、若い方には是非頑張っていただきたい。そのためには独身税などあって当然。というか自分も含め、金がある独身から絞り取ってでも若い夫婦を支援して子ども作ってもらわないと!と思っています。

なぜなら人口減少の恐ろしさを味わったことがあるから。もちろん創作物で。

 

そこでこちらです

チグリスとユーフラテス〈上〉 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス〈上〉 (集英社文庫)

 
チグリスとユーフラテス〈下〉 (集英社文庫)

チグリスとユーフラテス〈下〉 (集英社文庫)

 

 中学生の頃に学級文庫に置いてあった「星へ行く船」シリーズからずっと新井素子さんのファンでした。

マンガ的な文体(後にライトノベルの基礎になるお一人ですよね)、思春期の少女の心理に寄り添った内容、私の年代だと既に少し鼻につくものもありましたが、内包したテーマは未だに影響を受けています。

「哲学的に答えが出ない、どちらも正しい対立した概念」を日常レベルに落とし込むのが上手い方だと思います。動物保護のお話やキリンソウのお話なんかは、未だによく憶えています。

そんな彼女が久しぶりに発表した大型SFが「チグリスとユーフラテス」。別の惑星の開拓が盛んな時代、その一つの星の最初と最後が逆さ年代記として綴られていきます。

 

まず基本舞台が既に「最後の一人の子ども」を主軸にしています。この最後の子どもが、コールドスリープをしている各年代の女性を起こしていく。

幾つかのお話のオムニバスで、年代ごとに主人公となる女性が違うのですが、まずいちばん最初の主人公が「人口減少で子どもが数人しかいない時代、妊娠機能があって子どもを熱望し、されているのに何故か不妊」という設定です。うひー。

読んでいるときはフィクションとして捉えられていましたが、今の日本の人口減少具合は結構シャレになってない気もします。しかも、作中でも「何故子どもが生まれなくなったか」というのは明確な答えがありません。一時期は人口が爆発した年代もあったというのが別の女性のお話ではテーマになります。

 

何が怖いって、「最後の子ども」の設定もですが、この最初の話で言えば主人公の女性がとにかく「出産」にこだわり、後に命が危険なときにも命<子宮至上主義なことです。自分が子どもいらない派なので余計にわからなくて怖いです。

 

それだけがテーマなわけではなく、全般としては「生きる意味とは?子どもを産むことなのか?食っていくことなのか?それとも…」という壮大なもので、最終章で最後に起こされる女性が自分的にはものすごくステロタイプなマンガのキャラみたいで鼻につく以外は、とても面白い小説です。

この小説が書かれるまでは、新井素子女史は大人に向けた小説は「女性の怖さ」をメインにした湿度の高いホラーが多かったのですが、元々手がけていたSFと、女怖いホラーが融合した大作です。

 

私が他に好きなのは「ひとめあなたに…」です。

ひとめあなたに… (創元SF文庫)

ひとめあなたに… (創元SF文庫)

 

 こちらは「チグリスとユーフラテス」よりエンタテインメント性が高く、面白く読める人も多いのでは(「チグリスとユーフラテス」は少し長いし、先程も書いたように若干癖があってだめな人もいるかも)。

地球があと1週間で滅ぶのが決定した世界で、好きな人に会いに行くために東京から鎌倉まで歩いて行く主人公の女の子が、色々な「狂った」女性に出会っていくホラーです。アルマゲドンみたいにマスな人々が色々対策する、といった描写はありません。ミクロな「終わる世界」対「女性」のお話です。

読んだ人の間でよく話題になるのは旦那さんを食べちゃう(ネタバレ・要反転)奥さんですが、私が好きなのは受験生の女の子のお話ですね。

ひとめあなたに…」は、今映画化したら結構受けるんじゃないかなあと思うのですがいかがでしょう?

 

 

新井素子女史や谷山浩子さんの世界は、私の中では「少女なるもの」として分類されています。この概念についてもまた機会があれば書きたいところです。

昔はずっと追っていた新井素子女史ですが、いつしか「紙の書籍」そのものから離れてしまって今現在の活躍を存じ上げませんでした。この記事を書くにあたってWikipediaで新刊が出ていることを知ったので、引っ越したら早速購読しようと思います。

 

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